RELAY INTERVIEW

2025.03.06

このシューズには、「レースを楽しめそう!」というワクワク感があるんですよ。──Kao #RI02

Ueki Kaori
VECTIV️ Type
  • Enduris

トレイルランニングを始めて、およそ8年。それまでは専業主婦だったKaoさんこと植木香さんは、今では女性を主な対象としたトレーナーとしてその魅力を伝える側に立っている。
トレイルを走り、日々を整えること。その健やかな価値観を伝える側になったKaoさんが感じている、体とシューズの関係性。そして「VECTIV Enduris 4」で山を走った感触について訊いた。

──トレイルランニングと出会って、何が変わりましたか?

生活そのもの、ですかね(笑)。疲労を早く抜くためのルーティンみたいなものが確立されてきたと思います。例えばいい筋肉をキープするために食事と睡眠の質にこだわるようになって、そこからフードロスや食材そのものの問題にもコミットしたいと考えるようになりました。アスリートフードマイスター資格を取得したり、良質な油について知りたくてオリーブオイルについて勉強を始めたり。食べること自体はずっと好きでしたが、その方向性が変わってきたのかな。トレイルランニングを始めることで体が変わり、同時にマインドも変化していったように思います。まさか自分が、誰かに走り方を教える日が来るなんて、想像もしていなかったですから(笑)。

──人生を変えるほど、大きなものだった、と。

主婦で、子育てをしていて、もうこの先、人生が大きく変わることはないと思っていたのに。自分で人生を切り開いている感覚もあります。毎年、いろんな方との出会いがあって、またそこから学びがあって、今の自分が立つ場が作られているんだなと感じています。

──レッスンでは、ご自身がレースに出場したフィードバックを伝えているのですか?

今は生徒さんの9割が女性のランナーなんですね。女性は男性よりも筋肉が細くて小さいですし、更年期を迎える方もいらっしゃいます。精神的、肉体的な波をレースにいかに合わせていくのか、私自身の経験も含めてお伝えできたらなと。やっぱり男性のコーチには相談できない悩みもあるんですよ。生徒さんたちからは「女性だから悩みも相談できる」と言っていただけますし、するといろんな知見が溜まってくるというか。

──インストラクターになって、ご自身の走り方も変わりましたか?

変わりますね。ちゃんとしなければと思います(笑)。気の抜けたフォームでは走れません! 代々木公園のような見晴らしの良い場所では、遠くからでもカッコよく走っている方はすぐにわかりますから。身につけているものに関しても、すごくよく見て、真似をしてくれる方もいるので、見た目も、もちろん性能も良いものを選ぶよう心掛けてます。

──シューズ選びにおいて、重要なことはなんですか?

一番は、踵のフィット感です。シューズを履いて、よく足に合わないっていう言い方をすると思うんですが、足の指はきちんと広げてケアをすれば、すごく変わるんです。「小指の爪がない」っていう人もいるけれど、きちんとケアをすればだんだん爪の向きが上に向いて大きくなってくるはずです。足の指がきちんと使えるようになると、土踏まずのアーチも上がってきますし、今までダメだと諦めていたシューズが足に合ってくることもある。でも踵の形は変えられないので、まずは踵のフィット感を確かめるようにしています。

──指がきちんと使えることが、シューズ選びにおいても大切なんですね。

小指が使えないと、捻挫もしやすいんです。「厚底のシューズを履くと捻挫する」という人には、「シューズのせいではないんだよ」と伝えるようにしてます。シューズの中で足がずれると捻挫率も上がってしまうので、ヒモの調整でフィット感が変わることを伝えたりもしています。とにかく、ランナーにとって足の指のケアは、とても大事。

──ご自身が主に履いているのは、どんなシューズですか?

よく走りに行く丹沢の「バカ尾根」が、私にとっては、健康診断と言うか、ひとつの目安になっているんですね。ラグが高いグリップ性よりもクッション性が大事なので、よく「アルタメサ500」を履いていました。初心者の方のレッスンもあるので、ラグが高いシューズだとゆっくり走っていると木の根に突っかかりやすく(引っかかりやすく)なってしまうから。走る場所と用途によって3種類くらいを使い分けている感じですね。

──「VECTIV Enduris 4」を履いた感想を教えてください。

以前に「Summit VECTIV Pro 2」を履いた時には、もっと走れる人でないと履きこなせないなっていう印象だったんですね。きちんと踏んで、反発を受ける走り方が必要なのかな、と。シューズに合うレースも見つけられなかったんです。正直に言えば、今回の「VECTIV Enduris 4」も、最初はどこを走ったら良いのかわからなかったんです。丹沢では、登りでの歩きも多くなるので、もう少し走れるコースの方が活かせるんじゃないかと思って、高尾と青梅トレイルで走ってみたら、すごく乗ってくる感覚がありました。走ると、すごく良かった。土の上でもしっかりと反発が返ってくるのが面白かったですし、ようやくこのシューズの活かし方がわかったと思います。多分50kmから70km、いや100kmくらいまでのレースで使えるんじゃないかな。5月に50kmのレースに出ようと思っているので、まずはそこで履いてみようかなと。このシューズには、「レースを楽しめそう!」というワクワク感があるんですよ。クッション性も、それほど深くないラグも、私にはちょうどいい。いろんな山でテストを繰り返すうちに、どんどん「VECTIV Enduris 4」にハマってきた感覚がありますね。

植木 香

現在、インストラクターを務める「TRACK TOKYO」のトレイルランニング講座への参加をきっかけにトレイルランナーに。主に女性限定のランニング&コンディショニングトレーナーとして活動している。その他、女性だけの100マイルレース「ROUND GIRLS 100」をプロデュースするなど、さまざまな活動を行なっている。2025年の目標は、UTMB100マイルへの出場。

 

https://www.rh-track.com/roundgirls100/

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