TALK ROOM

2025.03.21

どんなレベルのランナーであっても、勝負の時に履くシューズは必要不可欠 土井陵×フィエルド花×吉村憲彦 #TR02

hanah fjelddahl
Yoshimura Norihiko
THE NORTH FACE
Doi Takashi
THE NORTH FACE ATHLETE
VECTIV️ Type
  • Enduris
  • Pro
  • Sky

「Summit VECTIV Pro 3」は、秘密兵器。
スイッチを入れてくれるシューズだから。(土井陵)

このシューズに合うように走れたら、きっと気持ちいいんだろうなと思います。(フィエルド花)

少しでもランナーをサポートしたくて開発に取り組んでいるので、ぜひ「ここぞ!」という時に使ってほしい(吉村憲彦)

日本を代表するトレイルランナーであり、THE NORTH FACEアスリートの土井陵は、「Summit VECTIV Pro 3」を履いて、スペイン・カナリア諸島でのレースを完走したばかり。ランニング・モデルとして様々なシューズを履く機会の多いフィエルド花と、開発に携わり自身もトレイルランナーである吉村憲彦と共に、新しい「VECTIV」シリーズの魅力を紐解く鼎談、後編です。

VECTIV

前編では「Summit VECTIV PRO 3」は、カーボンの反発もあって、ある程度、走れる人向けというお話がありました。

フィエルド花

そう思いますね。反発を受けて走るので、自分が思っている以上にスピードが出る、すごいシューズだなと思います。

VECTIV

自分の可能性を押し広げてくれるシューズ、という言い方もできますか?

フィエルド花

私自身はどうにか慣らして、履きこなせるようにはなりたいと思っていますけど、今の私にはまだ筋力、走力が足りないかな、という感じ。きっとシューズに合うように走れたら気持ちいいんだろうなと思ってます。

土井陵

日常的な練習で履くシューズではない、と言ってしまうと言い過ぎなんですが、自分の地足を作るためのシューズではないと思いますね。タイムトライアルに使ったりする分にはもちろんいいと思うんです。でも、花さんが言うように、地足を作ってから履いた方が、シューズの恩恵が受けられるんじゃないかな。

VECTIV

土井さんは、どんなシューズでトレーニングしているんですか?

土井陵

VECTIVでもいろんなシリーズを履き分けてますね。距離が短ければこれまでもSummit VECTIV Skyも履いてきましたし、トレーニングではVECTIV Endurisも結構、履いてます。練習ではカーボンを使っていないもので走りに行くことがほとんどなんですね。最近は、ノースフェイスの厚底トレイルランニングシューズである「アルタメサ300」を履くことも多いかな。積極的に「Summit VECTIV Pro 3」を履こうとは思わない。なぜかと言うと、ちょっとシューズに頼ってしまうところがあるから。「Summit VECTIV Pro 3」は、どちらかと言うと、秘密兵器(笑)。レースのモチベーションも上がるし、スイッチは確実に入れてくれます。「このシューズを履いたら安心」とか「このシューズで勝負するんだ」とか、そんな気持ちも大切かなと思います。

VECTIV

確かに。一般のトレイルランナーも、気持ちを上げてくれるシューズを求めているはずです。

土井陵

「ここぞ!」というところで使う種類のシューズだと思うんです。いつも日常から履くのではなく、勝負の時に履く。なので、「Summit VECTIV Pro 3」は、一般ランナーであっても、「勝負しよう」と思うランナーが選ぶシューズ、という位置付けでいいんじゃないでしょうか。あくまで、僕の認識ですけど(笑)。

吉村憲彦

どんなレベルのランナーであったとしても、勝負の時には絶対にシューズが一番大切だと思います。その際に、少しでもランナーをサポートできたらいいなと思って開発に取り組んでいるので、ぜひ「ここぞ!」という時に使ってほしいです(笑)。年間に何本もレースに出れないですからね。実際に僕も練習の時にはほとんど「Summit VECTIV Pro 3」は履きません。今日は、「めちゃくちゃ追い込むぞ」という時に履いてます。土井さんがおっしゃるように、スイッチを入れるシューズだと思いますね。

土井陵

ロッカーモーション(ソールが弓状に反る角度)の話で言えば、「VECTIV Enduris 4」も、実はそこそこあるんです。特に今回のモデルは増しているから、練習を「VECTIV Enduris 4」で行って走り方に慣れておいて、本番はさらにカーボンの反発でより後押ししてくれる「Summit VECTIV Pro 3」を履くのがいいかもしれません。少しマニアックな使い分けかもしれないけれど。

VECTIV

普段「VECTIV Enduris 4」で走っていたら、「Summit VECTIV Pro 3」を履くと、より自分の走りをサポートしてくれていると感じられる、と。

土井陵

いやいや、「VECTIV Enduris 4」がそこまでスペックが低いわけではまったくないんです。「FUJI 100mi」の後半で履いてもいいかなと思っているくらいですから。下位モデルというよりも、もう少しナチュラルに走れる感覚ですかね。ただシューズの形状が似ているので、走り方の練習にはなると思うので、自分はそういう使い方をしたいなと思っています。

吉村憲彦

シューズはブランドによって走り心地がまったく違うものですので、同じVECTIVシリーズの「VECTIV Enduris 4」でトレーニングしてもらって、「Summit VECTIV Pro 3」で本番のレースを迎える、という使い方はすごく理想的です。もちろん本番でも「VECTIV Enduris 4」は、いいパフォーマンスを発揮してくれると思います。前作と比べると、ものすごくスペックが上がったんです。その分、履き心地は少し違うかもしれないと、個人的には思っています。より走りやすく、よりスピードが出しやすい設計になっていますから。使っている材料や厚みに関して言えば、初心者から中級者の方にも使いやすい仕様になっています。カーボンはありませんが、プレートも入って安定感もあって、軽量で高反発なミッドソールも使っています。市場を見ても、実はコストパフォーマンスも高いと思っています。

土井陵

花ちゃんは、薄底シューズ好きと言っていたけれど、100マイルの時には厚底を履いたの?

フィエルド花

はい、流石に履きました。もっと柔らかいシューズでしたけど。後半は、タラタラと歩いていたので、そこまで反発は必要なかったから。それよりも気になるところがないことが大事というか。でも、そんなに長い距離はしばらく走るつもりはないので、新しいVECTIVはもう少し短いレースで使ってみたいなとは思います。

VECTIV

もう100マイル・レースには出場しないんですか?

フィエルド花

あと10年待ってください(笑)。30代、40代がやっぱり100マイルに一番適しているじゃないですか。だから、取ってあるというか。もしかしたら10年後には走るかも。

土井陵

いやいや、そう言わずに、もう少し近いうちに走ってください(笑)。応援していますから。

土井陵

1981年8月生まれ。本格的に走り始めたのは30歳。2014年夏「ULTRA-TRAIL Mt.FUJI(UTMF)」に初出場し、総合15位、日本人3位の成績を挙げて一躍注目を集める。翌2015年にはモンブランを巡る世界最高峰の「ULTRA-TRAIL DU MONT-BLANC(UTMB)」に初出場し、日本人最高位の11位でフィニッシュ。その後も国内外のショートレースから100マイルレースまで、ジャンルを問わずに輝かしい成績を収め続けている。2022年、3つの日本アルプスを繋ぎながら日本海から太平洋まで415kmを駆け抜ける山岳レース「トランスジャパンアルプスレース(TJAR)」では、大会記録を大幅に短縮する4日間17時間33分の新記録で優勝。トレイルランのアスリートとしてその魅力や楽しさを広く伝え、自分が得た経験を世の中に還元したいと考えている。

https://www.instagram.com/doichin3

フィエルド花

元プロバレエダンサー。香港と日本にルーツをもつ。デジタルマーケティングの会社に勤めながら、モデルやバレエ、ヨガのメソッドを取り入れたエクササイズ動画をYouTubeで配信するなど幅広く活動。コロナをきっかけに香港でトレイルランニングに目覚め、日本国内の大会にも多数出場し、好成績を残している。主な戦歴は、2022 戸隠マウンテントレイル3位、2022 ISU TRAIL JOURNEY 10位、2023 FUJI KAI69K 7位、2023 BAMBI100マイル 完走などがある。

https://www.instagram.com/ballerinahanah/

吉村憲彦

ザ・ノース・フェイスハードグッズ事業部フットウェアグループ所属。日本の担当者として、VECTIV3.0の開発にも関わる。また、自身もトレイルランナーでもあることから日々のトレーニングやレースのフィードバックをシューズ開発に役立てている。

https://www.instagram.com/norihiko_yoshimura.0123/

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