RELAY INTERVIEW

2025.04.23

「Summit VECTIV Sky 2」の軽さは、足を捌いていくようなリズミカルな走り方に最適──岩井絵美 #RI05

Iwai Emi
Trail runner
VECTIV️ Type
  • Sky

この春から新たにTHE NORTH FACEアスリートに加わった岩井絵美さん。学生時代の駅伝では不完全燃焼だったという悔しさを晴らすように、ここ数年は精力的にトレイルランニングに取り組み、頭角を表しています。「トレイルで学ぶことはまだ沢山ある」と語る彼女の展望と、シューズについて訊きました。

──トレイルランニングを始めた経緯を教えてください。

私は大学二年生まで陸上をやっていたんですね。女子駅伝をしていて、卒業後には実業団に入って頑張りたいという目標があったんですが、怪我ばかりで、陸上も辞めてしまった。私には才能がないんだって、一般企業に就職して、仕事を頑張ろうとやってきたんです。でも女性として体のことを考えると、本当にやりたい事ができるのはあと数年しかないかもしれないと思ったんです。仕事に関してはある程度やりきれた部分があったので、31歳の時に「もう一度走ることを全力でやり切りたい」と夫に相談したら、「仕事を辞めていいから、走ることに集中して頑張れ」と背中を押してくれたんです。

──トレイルランニングを始めたことによって、学生時代の悔しさを解消している感覚がありますか?

トレランをもっとやり込みたいと思ったのは、本当に楽しかったから。無心になれると言うか。まったく新しいカテゴリーに出会って、それが原動力になっています。でも、学生時代に陸上を辞めて、どこか不完全燃焼だった気持ち、モヤモヤしたものがあったのは確かです。だから体が元気なうちに頑張り切る期間が2〜3年でも良いから欲しいなと思ったんです。「もっとできたはずなのに」という思いがあったから、トレイルにエネルギーを注げている気がしますね。

──本格的に山を走り始めたのはいつからですか?

会社を辞めたのが、2023年です。その2年前くらいから、夫がやっている「竜太練」というチームのお手伝いをするようになって、毎週山に入るようになっていたんですね。なんとなく山を長く走ったりできるようになって、それで会社を辞めてから「Ryutaren Trailrunning Team(RTRT)」を作って、夫婦で運営しているんですが、それからは毎月練習をしっかりやるようになっています。すごく良い練習なので、みんなと一緒に強くなっている感じ。当初は峠走をしても、チームのメンバーに負けていたくらい。女性の中でもコーチであるはずの私が生徒さんに負けていましたから(笑)。陸上を経験していたから、平地は速く走れるのに、斜度が着くと息が上がってしまう。それが悔しくて、最初は登りばっかり練習して、苦手だったのが、今では好きになりました。

──本格的にトレイルランニングを始めてわずか2年あまりでトップ選手になっています。ご自身に適性があったと思いますか。

スピードの部分では、1kmくらいの距離で平地ならば、最初から一般ランナーよりも速く走れたと思います。その陸上のベースがあって、きちんと練習をしたから、かもしれません。昨年の4月頃から、学生時代と同じスピードが出せるようになってきたんですね。1年前のタイムと比較しても、一気に速くなった。力がついてきたかなと思っていたタイミングで出場した「Mt.FUJI KAI」で2位に入れたので、そこから少し自信がつきました。

──トレイルランナーとして、まだまだ伸び代がありますか?

技術的な部分でも、スピード面でもまだ速くなると思います。きちんと怪我をしない体を作って練習を継続できるようになれば、もっと良いかなと。そのためにも昨年からランニングフォームを変えるレッスンをしていて、それで走りも変わったし、スピードに関しても速くなったんですね。足の接地を体の真下、もしくは真下よりも後ろに来るようにすれば、膝や足底の負担も少ないので、まるで自転車を漕いでいるような綺麗な走りを目指しています。そして、体幹やお尻の筋肉の強化をしていく。ブレない体幹があれば、トレイルでも同じ走り方ができるはずなので。

──「Summit VECTIV Sky 2」を履かれていますが、シューズにも、安定性を求めますか?

はい。半年間、足底と逆足の足首を痛めていたので、安定性のあるシューズでないと、すぐに痛くなってしまうんですね。「Summit VECTIV Sky 2」は、クッションも厚すぎないし、グリップもあって、私にはちょうどいい。このシューズなら、かなり起伏のあるトレイルを走っても痛くならないんです。反発が強すぎて弾み過ぎても、下りで飛びすぎてしまう。ロスにもなりますし、足に負担がかかってしまうんですね。「Summit VECTIV Sky 2」はとても軽いので、下りで跳ねるのではなく、足を捌いていくようなリズミカルな走り方には最適だと思います。
「Summit VECTIV Pro 3」は、私が今まで履いてきたシューズよりも底が厚いので、下りはもう少し慣らさないと。でも、慣れたらより使えるんだろうなと思っています。でも、私は「VECTIV Enduris 4」の方が好きかもしれません。程よい反発とクッション、それから安定性と全部揃っている感じ。なので、100kmまでなら、「Summit VECTIV Sky 2」。それ以上の距離なら、「VECTIV Enduris 4」が良いかなと思っています。

──ご自身にとって、どれくらいの距離のレースが一番合っていると思われますか?

私はスピードを出して短時間で終わる方が好きなので、だいたい60〜100kmまでかなと思っています。長い距離を走るのは好きなんですけど、順位を求めて走ったら、ずっと苦しいまま160kmでは精神的に疲れてしまうから。将来的には挑戦してみたいですけど、100マイルレースには今のところ出るつもりはないです。100kmまでの距離は、スピードもほとんど落とせないですし、きついですけど、その分、集中できるから。10時間集中して、スピードを保ちながら走る。それが私は好きなんです。

岩井絵美

2023年からレースに本格参戦するようになり、2024年「Mt.FUJI KAI」女子総合2位となり、頭角を表す。主な戦績に「HASETSUNE CUP」女子総合2位、「アジア太平洋トレイルランニング選手権」女子総合8位など。夫と共に「Ryutaren Trailrunning Team(RTRT)」を運営。2025年春よりTHE NORTH FACEアスリートと活動している。

0