RELAY INTERVIEW
リタイアしてしまったレースも、「Summit VECTIV Pro 3」ならもっと行けたんじゃないかと思ってます。──伊東ありか #RI04
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南国・宮崎に移住してから、トレーニングの環境が整ったことで100マイル・レースに挑戦し、結果が出始めたという伊東ありかさん。「自分をどれだけ引き出せるか」が楽しいと語ります。「自分にとっては、ちょうど良い」と語る100マイルの魅力、そのために必要なシューズについて訊きました。

他の選手と競い合うことはもちろんですが、一人の時間がすごく長いので、結局は自分との戦いが一番大切だと思うんです。距離が長くなるほど、自分で考えなければいけないことが増えてくる。その分だけ、乗り越えた先にある達成感が強くなるところかな。
100マイルのレース中は、環境が荒れるほど自分で考えて行動する必要が出てきます。でも、自分の選択が正解か不正解か、決まっているわけではない。「どっちが正解なんだろう?」と考えること自体がどんどん面白くなってきて、走っている最中はずっと楽しんでいる気がします。もうやめたいという気持ちにはならないんです。それが最後まで走り続けられる強みかな。でも、答えがなかなか導けない時には、迷いや不安も抱えながら走っているので、そこがまだまだ弱い部分だと思っています。

そうですね。不安を抱えつつも、それを楽しみに変えられるっていうことかもしれません。雨が降ってトレイルが崩れたり、低体温症になってしまったり、険しくなるほど、こんな私でも上位に行ける可能性が高くなる。最後まで諦めずに走り切れば、ご褒美として順位が上がっていく経験があったので、難しさがあるレースほど、好きなのかもしれません。自分がアスリートとして人より秀でている部分なんて、まったくないんです。でも、走り続けていたら、ラッキーで勝負できるかなって。トラブルに対してひとつひとつ考えて、行動して、正解だったり不正解だったり。その答え合わせみたいなものが面白い。そして、正解が多ければ、結果として順位が上がっていく。それが楽しいから走り続けていられるんです。100マイルをゴールした後にも「もっと走りたかったな」って思うこともあるくらい、とても楽しいんです。

いつもふかふかのトレイルが楽しくて、もう止まらない! という感じだったんですけど、香港の「TransLantau BY UTMB」で、岩の上を100km以上走った時には辛くて、体中が痛くなって楽しくなかったです(笑)。リタイアしてしまったけれど、それも良い経験だったなと。なので、もう一度、挑戦して、どうしてもゴールしたいと思ってます。
はい、負けず嫌いなので(笑)。トレーニングを積み重ねていったのに、ボロボロになってしまった自分に対しての悔しさがあるから。
一番は自然が好きになったこと。山が好きという気持ちがすごく強くなりましたね。それから日々の生活の中で、精神的に疲れた時でも走るとスッキリしたり、明るくなれる。自分を整えるという感覚を手に入れた気がします。

自分の足に合うかどうかをまず確認して、それからレースのレイアウトごとに合うシューズを探していくようなプロセスですね。中でも「Summit VECTIV Pro 3」は、すごく自分にフィットして、最近はずっと履いてます。
足の幅が合わないと、爪先を曲げるとシューズにぶつかってしまったり、シューズのヒール部分が低いと、私は足首が安定しなかったりする。そういう自分の足型や好みを把握しておくと良いかもしれません。「Summit VECTIV Pro 3」は、足幅自体は広くないんですが、親指と小指の付け根あたりのソールが少し外側に広がってますよね。ちょっとマニアックですけど、ここが私的にはすごく好きな部分。爪先が安定して、足が揺れにくいんです。
そうですね、全体のバランスだとは思いますが、安定感は重視しています。「Summit VECTIV Pro 3」は、やっぱりソールの厚みのおかげで、安定感がありますね。それにカーボンの反発で、どんどん前に進む力を感じられて、すごく走りやすい。100マイルはやっぱり着地で体に負担がかかり続けるので、その突き上げを吸収してくれるシューズが大事だと思います。「Summit VECTIV Pro 3」は、長時間走っても全然疲れませんから。

はい、今年も出場したいと思っているので、ぜひ試してみたいなと思っています。初めて出場した時は「薄いソールで走れるコース」という情報があったので、ソールの薄いシューズで出場して、岩の衝撃を受けて潰れてしまった。でも「Summit VECTIV Pro 3」なら、もっと行けたんじゃないかと思ってます。
そう思いますね。どのシューズを選ぶのか、決めるのは自分ですから。自分で考えることが増えることは、楽しみに繋がります。すべて自己責任で、誰かが勧めたから履くわけではなく、自分が好きだからと選んだシューズで成功したり、失敗したり。それがやっぱり私には面白いんです。

1990年、札幌市出身。2021年に宮崎に移住し、本格的にトレイルランニングのレースに参戦する。2023年、初出場の100マイルレース「Mt.FUJI100」で女子7位入賞を果たす。「志賀高原100」では女子優勝。「Doi Inthanon Thailand by UTMB」女子6位入賞。2024年には「UTMB」に出場し、完走を果たす。