TALK ROOM

2025.06.12
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女性3人が語る「新生VECTIVの魅力」、「アスリートのメンタル」 岩井絵美 × 冨井菜月 × 中村真記子 #TR05

Nakamura Makiko
Tomii Natsuki
Company employee
Iwai Emi
Trail runner
VECTIV️ Type
  • Enduris
  • Pro
  • Sky

スピードを出してもブレない走りを続けることができるのが「Summit VECTIV Sky 2」の魅力です(岩井絵美)

私はロード区間で頑張るタイプなので、ロードで安定感ある走りが「Summit VECTIV Pro 3」を選ぶ決め手でした。(冨井菜月)

「Summit VECTIV Pro 3」は「ロードの延長で山を走れるシューズ」と言ってくれる意見が多いです。「走る」というシンプルな動作を助けてくれるような。それが本能的な「安定感」ということなのかもしれません。 (中村真記子)

「Mt.FUJI100」に出走したTHE NORTH FACEアスリート岩井絵美と、長年の友人である冨井菜月、そしてTHE NORTH FACEマーケティング部の中村真紀子によるTalk Room後編。Mt.FUJI100の魅力について語り合った前編に続き、後編では、新生VECTIVのインプレッションとアスリートのメンタル、トレイルランの魅力をディープに。「VECTIV 3.0シリーズ」について、それぞれが感じたシューズの実力に迫ります。

VECTIV

VECTIVについてのインプレッションをお2人にお伺いしたいのですが、実際に「ASUMI40k」「KAI70k」でそれぞれ履いてみての感触はいかがでしたか。

岩井絵美

私は「Summit VECTIV Sky 2」を履かせてもらいました。今回「ASUMI40k」はそれほど起伏が激しいコースではなかったんですけど、その分スピードを上げて走るレースだったので、ラグの深さ(5mm)が効いていたなという印象です。スピードを出してもブレない走りを続けることができました。接地時足首がブレず、推進力に繋げることができている感覚があって、それがとても良かったですね。

 

あとはやっぱりカーボンプレートのフィーリングがとても良かったです。軽いこともあって、スピードをとても出しやすい。「ASUMI40k」はロードを走るパートが割と多いんですけど、そこでしっかりスピードに乗ることができました。

冨井菜月

私も「Summit VECTIV Sky 2」で走る予定だったんですが、「今回のコンディションでは「Summit VECTIV Sky 2」では「KAI70k」は持たないかなっていうイメージがあったので、最終的にソールに厚みもあって安定感もある「Summit VECTIV Pro 3」をセレクトしました。「Summit VECTIV Sky 2」はグリップも効いて、下りやすいし、上りでも安定して走れる印象で、「KAI70k」のコースにもフィットすると思っていたんですけど、私はロード区間で結構頑張るタイプなので、ロードの安定感が決め手でした。実際に走ってみて、上りも下りも安定感があって、安心して走ることができました。

VECTIV

中村さんは普段どのシューズを履かれていますか?

中村真記子

お2人を前に話すのは少し恥ずかしいんですけど、私が普段履いてるのは「Summit VECTIV Pro 3」です。Pro 1やPro 2は“じゃじゃ馬”っていう人がいて、つまりカーボンの跳ねる力に脚が持っていかれて余計な力を使ってしまう印象があるってことなんです。その感覚は私でも感じる部分だったんですけど、今回の「Summit VECTIV Pro 3」は冨井さんもおっしゃる通り、安定性の部分が強化されていて、あまり脚力がない人でも、反発力に足を持っていかれることがなく走れるシューズに仕上がったように思います。私、2月にトランスグランカナリアの20kmカテゴリーのレースに出たんですよ。ガレたトレイルで滑りやすい景観のコースだったんですけど滑る怖さもなかったし、安心して走ることができました。同じく120kmのカテゴリーに土井さん(土井陵:THE NORTH FACEアスリート)も良いパフォーマンスを発揮できて。私も吉村(吉村憲彦:THE NORTH FACE JAPANシューズ開発担当)も表彰台を狙うトップアスリート向けのタグラインで考えていたけど、意外と万人受けするシューズであることが分かりました。「Summit VECTIV Pro 3」は多くの方にインプレッションを聞いていて、皆さん「ロードの延長で山を走れるシューズ」と言ってくれる意見が多いです。トレイルでも力を発揮してくれるんだけど、「走る」というシンプルな動作を助けてくれるような。それが本能的な「安定感」ということなのかもしれません。

冨井菜月

やっぱり軽い方が走りやすいので、一番は軽いこと。同時に、突き上げの刺さるような感じが苦手なので、ソールがしっかりしていて、衝撃を緩和してくれる、そのバランスで選んでいます。その上で、しっかり足にフィットすること、グリップ力ですね。

岩井絵美

私は一番はスピードが出るかどうかです。そのあとで安定性・クッション性っていうところを見るような感じです。「短い距離だから」「長い距離だから」と、距離でシューズを履き分けることはしていなくて。この3点が揃っていれば、100kmまでは行けるかなっていうイメージです。「Summit VECTIV Sky 2」を履いた人と話をすると、70kmぐらいまでしか持たないっていう声が多いんですけど、重視してるのがスピードで、「Summit VECTIV Sky 2」の気に入っている部分なので、今は100kmでも持たせられるように、足作りをしてます。

VECTIV

当たり前ですけど、個性とリンクしていて面白いですね。とはいえ、自分のランナーとしての長所、短所って、自覚するまで時間がかかることだと思うんですけど、どのようにして理解を深めたんですか?

岩井絵美

レースに出た時の感覚が一番影響するものだと思います。その時に得た感覚を、あとで咀嚼して見ると、イメージと体感のズレがないので、足りない部分があるようなら、トレーニングで埋めるだったり、ギアでカバーしたりっていうイメージですね。

冨井菜月

私も基本レースに出てみて感じることが多いので、練習でシューズはもちろんいろんなギアを試して、「レースにはどれがベストか」イメージします。それでもレースの感覚は練習では100%補えないので、とにかくレースに出て、全力で走って、何かを感じるのが一番大事かなっていうのはあります。実際にレースで選んだシューズやギアが、意外とベストではなかったかもっていうことがたまにあるので。

VECTIV

中村さんはサポート側でアスリートを見ているわけですけど、ランナーに対して感じること、共通してることってありますか。今のお2人の話を聞くと、大会で結果を残される人はセルフスキャンがしっかりできる人という印象があります。

中村真記子

スタートラインに並ぶとみんなフェアなところがいいですよね。社会的ステータスとか関係ない。私も以前はアウトドアをやる人ってちょっと変な人と思っていたんですよ。周りにトレイルランニングをやる人がいなくて馴染みがなくて。でも始めてみたら、自由で開放的でフェアな感じがとても心地良かった。特に女性にとって、社会プレッシャーとかそういうものから開放されるのがいいなあって。私は2人と違って走るのは得意ではないけど、トレイルランってアスレチックな冒険で、夢中になれるのがいい。

VECTIV

深いですね。そういうことでいうと自分なりのルーティンみたいなものがあるように思いますが、その点はどうですか?メンタル的なことでも、準備の部分でも決まっていることがあれば教えてください。

岩井絵美

トレーニングでいうと、結構計画を立てたら、きっちりきっちりレース当日に向けて、徐々仕上げていくタイプです。強度の高い練習をするのは2週間前まで。それからテーパーリングに入って、気持ちを研ぎ澄ましていく感覚です。レース数日前ぐらいからはずっとスタートしてからゴールするまでのレースのシミュレーションをひたすらイメージトレーニングしてるみたいな毎日が続くんですよ。なので、あんまり夜も寝れなくなったりもします。

冨井菜月

私は目標を決めたら、そこに向かって死ぬほど努力するっていうタイプです。どちらかといえば計画はあんまり立てられないタイプで、とにかく練習をする。目標に向けて何が起きても「絶対その目標を達成するぞ」っていうメンタルでレースに向かいます。

VECTIV

やっぱり最後はメンタルが重要なんですね。最後に「山を走る魅力」ってそれぞれどう感じていますか?

岩井絵美

心がクリアになるところが一番魅力だなって思ってます。寝不足でも、疲れてる時でも、なぜか自然の中に入ると逆に、疲れが取れるような感覚があって、マイナスイオンを感じて、景色に癒されて、そのうち無心になって走っていて、悩んでいたこととか、小さなことでストレスを抱えていたのが、大したことじゃなかったなって思えるような気持ちになれる。そういう爽快感が私はトレイルランニングの一番魅力だと思ってます。レースも、競技とは言っても、やっぱり毎回「どんな景色が見れるかな」とか、「どれくらいきついんだろう」とか、そういうのもいつもワクワクできるし、常に山は新鮮な気持ちにさせてくれます。

冨井菜月

私にとっては知らない世界を知れるのがトレイルランニング。意識が風景に向いたり、木々のサーフェス、お花、「あれはなんだろう」とか、なんでここに一つだけ咲いているんだろう」とか、走っていながら全然関係ないことを考えたり。その感覚が面白くて。あとは、トレイルを走るとメンタルが強くなれる。トレイルを経験した後のマラソンって楽に感じたんです。走力でみても、マラソンの後半で脚が持ちやすくなった感覚もあって。心も、脚も強くなれるのが山の魅力と感じています。

中村真記子

難しい質問ですね。自分で自分の優位性を知ることができないと、アスリートとして最高のパフォーマンスは発揮できないと思うので、その部分も含めて「アスリート」だと思っています。それと、速いアスリートと一般的に速い人の違いというところでいうと、フィジカル的な部分だけではなくて、メンタルコントロールが上手。レース後にすぐ何がよくて何がダメだったか、的確に繋げられる。何よりポジティブなマインドを持っていますよね。例えば、メインレースでうまくいかなかった時、落ち込んだり、エモーショナルになって引きずるのが割と普通だと思うんですよ。そこですぐ次に向かって自分をコントロールできる資質を彼らは持っているように思います。熱いんだけどクレバーなんですよ。

岩井絵美

単純に、走って得られる情報量と、歩いて得られる情報量の解像度も違うから、「走らなくていい」っていうスタートラインが、トレイルランニングが魅力的に映るいい部分なのかなと思います。

岩井絵美

中学から陸上に親しみ、大学では駅伝部に所属。競技から一度離れたのち、山を走ることの自由さに魅せられトレイルランニングの世界へ。2023年「ハセツネCUP」女子総合2位、2024年「アジア太平洋選手権」女子8位。この春よりTHE NORTH FACE ATHLETEとしての活動を開始し、初開催された「Mt.FUJI100」のショートカテゴリー「ASUMI40k」でも女子3位に入賞。国内外のレースで着実に存在感を高めている。また、夫であるプロトレイルランナー・岩井竜太とともにトレイルチーム「竜太練(Ryutaren)」を主宰し、トレイルランニングの魅力を伝える活動も行っている。

冨井菜月

高校から陸上をスタート。フルマラソンの楽しさに魅了され、2024年の「おかやまマラソン」では優勝を経験。現在はマラソンを軸に、ウルトラマラソン、トレイルと分け隔てなく活動。フルマラソン自己ベスト2時間44分54秒、100kmウルトラ7時間48分35秒。トレイルでは、2023年「白馬国際クラシック27km」優勝、「IzuTrailJourney2024」3位と結果を残している。走ることを自己表現と捉え、個性と多様性を大切にしながら挑戦を続けている。

中村真記子

THE NORTH FACE PR・マーケティング部所属。ブランドのストーリーを伝え、製品や体験を通じてユーザーとのコミュニケーションを担う。アウトドアやランニングを愛し、自らも積極的にフィールドに立つことで、ブランドの価値を体現。多様な価値観や自己表現を尊重し、常に新しい挑戦とつながりを大切にしている。

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