TALK ROOM
新カテゴリーが追加された「Mt.FUJI100」に感じたこと。女性3人が語る魅力的な大会とは? 岩井絵美 × 冨井菜月 × 中村真記子 #TR04
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100mileカテゴリーの「Fuji」のいいとこ取りをしたようなコースで、とても楽しかったです(岩井絵美)
ロードランをメインにしている人にとっては、リレーや駅伝のカテゴリーがあると、入って行きやすいのかなと思います。(冨井菜月)
「ASUMI40k」が新設されて、トレイルランを幅広く、誰もが楽しめるスポーツにしていく意味でとても良かったと思います。 (中村真記子)
THE NORTH FACEアスリートとしての一歩を踏み出し、「Mt.FUJI100」のショートカテゴリー「ASUMI40k」で初レースに挑んだ岩井絵美。ミドルカテゴリー「KAI70k」に出走した長年の友人・冨井菜月、そしてTHE NORTH FACEマーケティング部の中村真記子とともに、大会での体験や「VECTIV 3.0シリーズ」について語り合います。Mt.FUJI100の魅力とは? それぞれが感じたシューズの実力とは? 「Talk Room」前編は、 3人の視点でたどるレースの記憶から。



とても緊張したんですけど、それでも楽しく、自分の走りをすることができたのでホッとしています。私は今回初開催となる「ASUMI40k」に参加させていただいたんですけど、想定していた以上のスピードレースだったなっていう印象です。コースとしては気持ちよく走れるランナブルな前半から、後半はしっかり登る、100mileカテゴリーの「FUJI100mi」のいいとこ取りをしたようなコースで、とても楽しかったです。初心者から上級者まで全員が楽しめるコースだなと思いました。



エントリーしやすいカテゴリーとして大会にフレッシュな印象を与えましたよね。中村さんはどのように捉えましたか。


ヨーロッパやアメリカでは、100mileのようなウルトラディスタンスと同様にショートやミドルのレースが人気で注目もされています。特にヨーロッパではスカイランニングが盛んですし、「Mt.FUJI 100」にしても当初は日本を代表する100マイルレースを作るという文脈でスタートしましたけど、大会が大きくなって、成熟していく中で、多様性を表現する舞台としての役割も求められるようになっていたと思うんです。今回「ASUMI40k」が新設されて、ゆくゆくは20kmくらいの更に短いレースができても良いですし、トレイルランニングをもっと幅広く、誰もが楽しめるスポーツにしていく意味でも、新しい試みとなってとても良かったと思います。


なるほど。その取り掛かりが「ASUMI40k」だったと。中村さんは少し一歩引いた位置から大会を見ていたと思いますけど、周りの反応はいかがでしたか?


今回「ASUMI40k」は定員が他カテゴリーと比較すると少なかったので、「走りたかったけど、走れませんでした」という声が多く聞かれました。それから、40kmということもあって、これまでの「FUJI100mi」「KAI70k」にはない圧倒的なスピード感が印象的でしたよね。よりコンペティティブなヴィジュアルが個人的に強く印象に残りました。



冨井さんはいかがですか? 今回のレースはどのように映りましたか?


私は去年と同じ「KAI70k」に出走させていただいたんですけれども、前週に「チャレンジ富士五湖」の60kを走っていたこともあって、厳しいレースになってしまいました。去年はそれなりに準備もして、順位も狙って走って、うまく走れたんですけど、今年はもう順位やタイムのことはあまり気にせず、割り切って走ろうと思っていたんです。でも、やっぱり性格上、走り始めると頑張っちゃって。途中で入賞できるかどうかの瀬戸際だったんですけど、足がちょっと持たなくて、もったいないというか、少し悔しい思いもあります。



岩井さんも昨年「KAI70k」を走られていますし、「Mt.FUJI100」にお2人ともまた戻ってきたわけですけど、改めて「Mt.FUJI100」の魅力って、どこに感じていますか?


やっぱり雰囲気ですよね。走るランナーも多いんですけど、それを応援する人たちもものすごく多くて、それが他の大会よりも圧倒的で、大会が盛り上がっているのを感じるんですよね。それが一番の「Mt.FUJI100」の魅力かなと思ってます。


私も同感です。あとはやっぱり富士山を見ながら走れるところ。いろんな角度から富士山が見えて、湖越しだったり、山頂からだったり、自分が移動してきた実感もありますし、富士山のある景色を楽しめるのはポイントだと思います



応援が盛り上がっている明確な要因のようなものってあるんですか?


富士山を目当てに観光目的で来る人が多いのかなと思います。あとは日本で一番大きな大会だから、会場の演出とか、ボランティアの人の多さとか、お祭り感のある雰囲気が引き付けるんだと思います。会場内のブース出展の多さもそうですし、そういう雰囲気が多分「じゃあ、私も行こう」みたいな気持ちにさせるんじゃないかなと思います。


あとは、都心から近いことも大きいですよね。1時間ちょっとで行けるので、私の大学の友達も「富士山の近くなら見に行けたら行こうかな」って、言ってくれてたので。見る側、応援する側にとってもハードルが低いんだと思います。


ランナー目線で多様性や、時代の変化のようなムードは感じましたか。


そうですね。今回は特に海外選手が多くて、多様性を強く感じました。



岩井さんは普段、指導する立場でもあるわけですけど、ファッションや、レースのチョイスなどで、一方向に向かう風潮よりも、「個々のスタイルで楽しむ」ようなムードを感じることもありますか。


まだまだ「やっぱり100マイル」「Mt.FUJI100」といったら「FUJI100mi」のような部分は多少あるんですけど、でも今回「ASUMI40k」が新設されたことで、スピードレースにチャレンジしようかなっていう人も、チーム内ではすごく増えたんです。それは良かったなと思いますね。


学生時代に箱根駅伝を目指していたような人がトレイルランニングシーンにも増えてきましたし、今は新しいコミュニティが日本各所にたくさんありますよね。これからどんどん速いランナーが出てきそうだなと思うんですが、その点ではどう感じていますか?


私はロードランからトレイルランに幅を広げた側なので、周りにはロードランを軸にされている人が多いんです。「1回行ってみたい」と応援に来てくれたりとか、「最初に出るならどのレースがいいですか?」と話を聞いてくれる人も増えていて、相談されることも多くなりましたね。ロードだけじゃなく、トレイルも試してみたい人が増えているのは肌感としてありますね。


短いレースが増えることで、「Mt.FUJI100」がより“トレイルランナーの入り口”になっていく流れが強くなりそうですね。


ロードランをメインにしている人にとっては、リレーや駅伝のカテゴリーがあると、入って行きやすいのかなと思います。



中学から陸上に親しみ、大学では駅伝部に所属。競技から一度離れたのち、山を走ることの自由さに魅せられトレイルランニングの世界へ。2023年「ハセツネCUP」女子総合2位、2024年「アジア太平洋選手権」女子8位。この春よりTHE NORTH FACE ATHLETEとしての活動を開始し、初開催された「Mt.FUJI100」のショートカテゴリー「ASUMI40k」でも女子3位に入賞。国内外のレースで着実に存在感を高めている。また、夫であるプロトレイルランナー・岩井竜太とともにトレイルチーム「竜太練(Ryutaren)」を主宰し、トレイルランニングの魅力を伝える活動も行っている。


高校から陸上をスタート。フルマラソンの楽しさに魅了され、2024年の「おかやまマラソン」では優勝を経験。現在はマラソンを軸に、ウルトラマラソン、トレイルと分け隔てなく活動。フルマラソン自己ベスト2時間44分54秒、100kmウルトラ7時間48分35秒。トレイルでは、2023年「白馬国際クラシック27km」優勝、「IzuTrailJourney2024」3位と結果を残している。走ることを自己表現と捉え、個性と多様性を大切にしながら挑戦を続けている。


THE NORTH FACE PR・マーケティング部所属。ブランドのストーリーを伝え、製品や体験を通じてユーザーとのコミュニケーションを担う。アウトドアやランニングを愛し、自らも積極的にフィールドに立つことで、ブランドの価値を体現。多様な価値観や自己表現を尊重し、常に新しい挑戦とつながりを大切にしている。
岩井さんはTHE NORTH FACEアスリートになって初めてのレースでした。まずはレースを終えての素直な感想を聞かせてください。