RELAY INTERVIEW

2025.05.01
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ロードの感覚をそのままトレイルへもっていけるような走り心地──re:run #RI07

re:run
VECTIV️ Type
  • Pro

走りながら写真を撮るというフォトグラファーに憧れ、様々なマラソンやランニングクルーの姿を撮影するようになったという近松孝明さん。彼が主宰する「re:run」は、楽しみの延長線上に走ることがあるファンランナーの集いだ。今回は、「re:run」のメンバーでありながら、ランニングコミュニティ 「LOL Run crew」も主宰し、定期的にトレイルランに親しむ勝俣水稀さんと、最近トレイルにハマり出したという安部陽乃さんの3名に集まってもらった。

──みなさん、もともとはロードがメインだったと思いますが、トレイルランニングを始めたきっかけを教えてください。

そもそもマラソンを走るきっかけになったのは、大学在学中にコーチをしていたキッズの陸上教室で保護者のみなさんに北海道マラソンに誘われたことでした。そこからロードのレースに興味が湧いて、現在はサブ3を目指して練習をしています。その辺からメディアやブランドが運営するランニングクラブやコミュニティにちょくちょく参加するようになり、その流れでトレイルランニングのイベントにも参加して、山って楽しいんだって実感をして。トレイルに親しむようになってからは、少しずつ自分のコミュニティでもみんなを山に誘うようになりました。ロングレースを目指すというよりは、気分転換に山へ行くという感じで。自然に触れたい、リフレッシュしたい、そんなタイミングで大体いつも行きますね。ベースは高尾山や丹沢辺りに行くことが多いのですが、今⽇のように公園のクロカンコースを⾛ることもありますし、⼀昨年は所属する「LOL Run crew」のメンバーみんなで⽇光のトレイルレースにも出場しました。(近松)

──「日光国立公園マウンテンランニング大会」に出たメンバーが今日、ここに集まってくれたんですね?

近松さんに誘われて、みんなで出てみようって。すごく楽しかったです。私はもともと、別のコミュニティにペーサーとして所属をしていたのですが、そのコミュニティがなくなってしまって。それで、これからもみんなで集まって楽しく走れる場を作りたいという思いから、もうひとりのファウンダーである森下理沙と2⼈で「LOL Run crew」というコミュニティを⽴ち上げました。そこには近松さんもjoinしてくれて。

去年はサブ4を目指すためにトレーニングをしていたこともあったんですが、私にとってのランニングは、みんなで楽しく、休暇の遊びの延長線上に走ることがあることを大切にしています。メンバーの中で、行ってみたいところ、気になるスポットやコースなど、目的は“楽しめるところに行く”という感じにしていて。みんなで声を掛け合って集まるというパターンが多いんです。なので、トレイルを始めたのも、山に慣れている近松さんがそもそもメンバーにいたので、今回は山に行こうか? という形で定期的に行くようになりました。(水稀)

私は「LOL」に入って、フルマラソンに出るようになると、タイムが縮んでいくのが楽しくなっていって。PBを出していくことが目標にもなっていました。ただ、サブ3.5を達成した後は、違う目標を持ってみたいなという気持ちの方が強くなっていったんです。それでトレイルランやウルトラマラソンに今は興味を持ち始めました。だけど、山はギアも揃えなければならないし、1人で山に入るのは怖いし、シューズ1足、1人でも始められるロードランニングに比べてハードルが高いと感じていて。

実際、こうやって近松さんや勝俣さんに誘ってもらってみんなで山に入ると安心感を持てますし、山はよりコミュニティが大事だなって思っているんです。始めてみると、ロードとは全然違う文化があって、刺激をもらっています。すれ違う人には必ず挨拶をするじゃないですか。その人の温かさとか、譲り合いの精神とか、ロードでは感じられない経験を得られています。(陽乃)

──シューズ選びはどんなところにポイントをおいてますか?

私にとってランニングは日常の延長線上にあるものなので、普段の私服に合うような、普段使いできる色やデザインのものを選ぶことが多いんです。ただレースに出る時は別物として考えていますが、「Summit VECTIV Pro 3」はレースシューズとしてのポテンシャルを持っているのに、普段使いしても違和感のないデザインがとてもいいなと思いました。

また、履き心地として私が重視しているのは、ストレスがないフィット感と、トレイルに関しては安定感なんです。というのも、ロードは反発性を重視するけど、トレイルはどちらかといえば、不整地を走る上で、着地した時の安定感を重視しなければならないと思っているので。普段履いているトレイルランニングシューズはあまり反発力がないソールのものなので、このシューズに出合うまでは反発性はあまり考えていなかったんですが、覆されましたね。前足部のワイズも広めに感じたので着地した時の安定感が得られたし、その後スッと足が蹴り上がっていく反発性も同時に感じました。

(水稀)

私の履いているシューズは「VECTIV Enduris 4」なんですが、普段履いているトレイルシューズよりも走り心地としてはロードに近い感覚というか、走っていていつもよりも軽い走り心地を感じました。でも、接地の時の安定感はすごいなという感じ。なので、今度行く鎌倉トレイルとか、不整地とロードがコンビネーションになっているコースにはピッタリだなって思いました。

私はトレーニング用とレース用と、履くシューズを分けているんです。というのも、シューズは消耗品になるので、なるべく長く使えるようにしたいんですね。そのために履き分けています。また、レースへのモチベーションを上げるために、値段を気にせず、奮発して買うこともあります。レースではなるべく普段着とは逆の派手な感じでいきたいとは思っていて、そういう意味でも、トレーニングとレースは全然違う選び方をしていますね。(陽乃)

僕はフォトグラファーという仕事柄様々なメーカーのシューズを履くので、あえて性能やコンセプトが異なっているものを選りすぐることでシューズ集めを楽しんでいます。屋外での撮影というあらゆるシーンへの対応が求められる中で重要なことは、プロダクトの耐久性と1⽇中履いていてもストレスや違和感のないことだと考えています。(近松)

──今回履いた「Summit VECTIV Pro 3」、実際に走ってみてどうでしたか?

カーボンプレートとかなり柔らかいフォームの組み合わせ。あとラグが低いというのもこれまでのトレイルランニングシューズとは一味違う感じがします。ミッドソールのフォームがとても柔らかく厚い分、地⾯に接した時にフォーム側が路⾯に合わせてめり込むことで地⾯をグリップしてくれているような感覚がありました。また、水稀さんも言ってましたが、前足部のワイズが広めなので、足指の遊びがあって、地面をグッと掴んで踏ん張れるようにも感じました。トレイルシューズの中では厚底なので⽊の根などでの躓きを危惧していましたが、カーボンプレートによる反発によって障害物に接触する前に⾜が上がる感覚があり、厚底による弊害は気にせず⾜捌き良く⾛ることができました。肝⼼の⾛⾏感は、ローンチイベントの際にトレッドミルで⾛った時から感じていましたが、トレイルシューズでは感じたことのないスピード感と反発によるシューズの軽さが⾮常に印象的でした。また、THENORTH FACEのアスリートである⼟井選⼿が履かれているシューズと同じモデルで⾛れることをとても光栄にも思っています。(近松)

re:run

スポーツブランドやコミュニティをはじめとしたランニングシーンにフィーチャーし、発信を行うランニングレーベルとして近松さんが立ち上げる。フォトグラファーとしてのプロダクション的な姿とスケートボードなどのストリートカルチャーへの敬意を込めて、レーベルという在り方を名乗る。名前の由来となるのはRedefine running=あなたの走るを再定義すること。マラソン=辛いといった固定観念を払拭し、自分たちの投稿を通して新しいランニングのスタイルと出会いこれまでの自分とは異なる1歩を踏み出してもらうことが、re:runの目指す新たなランニングの姿だという。今後は、Mt.FUJI KAI 70kなどの少し⻑めのレースへ⼩さなカメラを⽚⼿に挑戦し、その景⾊を届けることを⽬標に練習に励みたいとのこと。

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